大規模醸造所を任される腕前と、一本一本に注ぐ情熱
サロット家の歴史は、18世紀末に近隣のバルバレスコ村で生まれたジュゼッペがネヴィーリエに移り住んだことからはじまります。当初はドルチェットの生産 を専門に行なって、20世紀初頭にはバルクでイギリスへ輸出していました。戦争やフィロキセラ禍などを経て、その後ロベルトが醸造学校を卒業する1980 年代の初頭まで、葡萄は業者に売っていました。1991年から自家栽培の葡萄はすべて自身のところで醸造するようになりました。同じ年に、バローロに 20haの畑を購入し、生産をスタートさせました。ロベルトはワインスクールを卒業後、父を手伝ってきましたがその後、ピエモンテにある年間の生産量が 6,500万本にもなる大規模な醸造所の醸造長として手腕を発揮。同時にガヴィにある醸造所のワインメーカーとしても活躍しました。現在では、それらの職 は辞し、親しい6名のメンバーと共同経営で運営する醸造所のワインメーカーであり、また、彼自身の畑をバローロやバルバレスコ、ガヴィに所有し、質の高い ワイン造りを行なっています。ワインに含まれる200種類ほどある化学成分の専門家でもあります。最優先に注意を払うのは葡萄畑です。なぜなら良いワイン は畑で生まれ、セラーで育つと考えているからです。
所有する畑は50ha、バローロ、バルバレスコ、ネヴィーリエ、ガヴィといったピエモンテ最高のワイン が生まれるエリアに広がっています。アルネイス、シャルドネ、ブラケット、ネッビオーロ、カベルネ ソーヴィニヨンの栽培も行なっています。機械化によっ て若干は変わりましたが、基本的には伝統的な方法で葡萄を育てています。自然の生態系を守りながら化学的なものを減らしていくことで、いつか化学的なもの がゼロにしていければと考えています。収穫は6年間ほぼ同じ人に頼んでいます。カンティーナは5,000hlのワインを貯蔵することが可能です。温度コン トロール装置付きの醗酵タンク、甘口ワイン貯蔵のための温度調節付きタンク、ニューマティックプレス、バキュームフィルター、連続式フィルター等の設備が あります。マイクロフィルトレーション装置を備えたボトリングラインは1時間に2,000本のボトリングが可能です。750mlサイズで20万本の生産が 可能です。
親しい友人6名と共同経営している醸造所から、ロベルトが特に良いと思ったものを選びこのワインを造っています。はきはきとした果実味と、グレープフルーツを思わせるさわやかな風味が広がります。「アウロラ」は、サロットの妻の名前からとっています